「空き家を買って住みたい」「実家の空き家を活用したい」
そう考える方が増えています。
一方で、空き家活用は
“物件選び”より先に、制度・費用・リスクを押さえることが成功の近道です。
この記事では、兵庫県と宍粟市の空き家状況から、活用例、補助金、改修費用の目安、メリット・デメリットまでを、実務目線でわかりやすく整理します。
1. 兵庫県の空き家状況(最新統計の要点)
兵庫県では、住宅・土地統計調査(2023年)で空き家数が約38万7千戸、空き家率が約13.8%と、いずれも過去最高水準になっています。
また県内でも地域差があり、空き家率が高い地域がある一方、都市近郊では比較的低い傾向が示されています。
2. 宍粟市の空き家状況(市の計画資料より)
宍粟市の空き家率は、住宅・土地統計調査(2023年)ベースで空き家率18.4%(空き家戸数2,870戸)とされ、県平均との差がある状況です。
また「その他の住宅(賃貸・売却用など以外)」の割合が高い点も特徴として示されています。
宍粟市で空き家を探す方法
宍粟市は空き家バンク(市の物件検索ページ)を公開しており、価格・築年・間取りなどで検索できます。
3. 空き家の活用例(住居・宿泊・店舗…)
空き家活用は「住む」だけではありません。目的別に考えると計画が立てやすくなります。
① 住居(移住・二拠点・子育て)
古民家の雰囲気を活かしつつ、断熱・耐震・水回りを現代仕様に
在宅ワーク用の書斎や土間アトリエを設ける
② 宿泊(民泊・一棟貸し)
“古民家らしさ”が価値になりやすい
ただし消防・用途・近隣配慮など事前確認が必須
③ 店舗(カフェ・工房・サロン・物販)
小規模店舗は「改修費を抑えて始めやすい」一方、導線・トイレ・駐車・バリアフリーがカギ
宍粟市の制度では店舗等への活用も対象になる仕組みがあります
4. 補助金の使い方(宍粟市+兵庫県の代表例)
宍粟市:空き家改修費用の助成
宍粟市には、空き家を居宅や店舗などに活用する場合の改修費助成制度があります。
要綱ベースでは、補助対象経費の1/3以内、上限25万円(空き家バンク登録物件は上限50万円)などが示されています。
また年度の受付は先着順・予算到達で終了、など運用面の注意も明記されています。
重要:申請前に着工すると対象外になり得るため、基本は
相談 → 事前確認 → 申請 → 交付決定 → 契約・着工
の順で動きます。
兵庫県:空き家活用支援事業(県制度)
兵庫県にも空き家活用を支援する制度があり、年度ごとに要件や締切が設定されています。
「交付決定前に着工すると補助対象外」「完了期限までに工事・支払い完了が必要」等の注意点が明示されています。
5. 実際の改修金額例(目安の考え方)
空き家改修は状態で大きく変わります。目安としては、
部分改修(壁紙・水回り一部など):500万円以内が目安
フルリノベ(間取り変更含む):1,000万円〜が目安
さらに古民家リノベでは、内容次第で1,000〜2,000万円規模になるケースも一般的です。
改修モデル

※補助金は「上限と対象工事」が決まっているので、どこに補助金を当てるかを最初に設計すると効きます(例:水回り更新、断熱、必要な修繕など)。
6. 空き家に住むメリット・デメリット
メリット
取得費が抑えられる(同立地で新築より手が届きやすい)
間取りや土間、庭など“余白のある暮らし”が作れる
古材・梁など、新築では出せない質感を活かせる
改修のやり方次第で、快適性(断熱・耐震・空気環境)を大きく上げられる
デメリット(=計画で潰せるリスク)
住み始めてから追加工事が出る(床下・雨漏り・シロアリ等)
旧耐震の可能性があり、耐震確認が必要になることがある
浄化槽・井戸・上下水道の接続状況によって費用が変わる
宿泊・店舗利用は、用途や許認可・近隣配慮のハードルがある
7. 追加で有益なポイント
① 放置のコストが上がりやすい時代
空き家対策の制度では、状態が悪い空き家だけでなく、“管理不全空家”の枠組みが強化され、勧告等により固定資産税の優遇(住宅用地特例)が外れる可能性があることが周知されています。
→ 活用するなら「先延ばし」は損になりやすい時代です。
② 相続登記の義務化で“名義整理”が重要
2024年4月から相続登記が義務化され、空き家の名義整理が重要になっています。
→ 名義が整っていないと売買・補助金・改修が止まるので、最初に確認が必要です。
③ 空き家活用は「優先順位」がすべて
おすすめの順番はこれです。
目的を決める(住居/宿泊/店舗)
現地で状態確認(雨漏り・床下・構造・水回り・境界)
ざっくり費用レンジを出す
補助金の対象工事に当てはめる
施工計画 → 着工
8. 空き家 内覧チェックリスト
目的:「買ってから高額追加工事」になりやすい地雷を、内覧で先に潰す。
使い方:
内覧時にスマホでこの表を見ながら、◯/△/× を入れていくのが一番早いです。
「×」が多い=悪い物件ではなく、費用に反映できる材料が増えるという意味でもあります。
① 建物の安全性・構造(最優先)

② 暮らしやすさ(修繕費に直結)

③ インフラ(見落とすと費用が跳ねる)

④ 敷地・周辺(宍粟市エリアで重要)
“この物件、買い?”判定のコツ(簡易ルール)
内覧後に、次の3つだけ確認すると判断がブレません。
A:構造リスク(基礎・傾き・雨漏り・シロアリ)に×が多い → まず専門家同行が安全
B:インフラ(上下水・電気)が不明 → 見積りの前提が作れないので要確認
C:直したい希望(断熱・水回り・間取り)が明確 → 改修費用の見通しを立てやすい(良い状態)
9. 内覧は「工務店同行」で失敗確率が一気に下がる
〜プロが現地で見ているポイント〜
空き家は、写真や図面だけでは判断できません。
そして一番怖いのは、購入後に“想定外の追加工事”が出ることです。
そこでおすすめなのが、内覧の段階で工務店に同行してもらうこと。
現場で「直せる/直せない」「いくら位かかる」を、かなりの精度で見立てられます。
工務店が内覧で必ず見る「7つの核心ポイント」
① 雨漏りの“原因”はどこか
天井のシミだけを見ても判断できません。
プロは「屋根・谷・板金・外壁取り合い・サッシ周り」など、侵入口の当たりを探します。
→ ここが読めると、改修費のブレが小さくなります。
② 床下の湿気・腐朽・シロアリ(ここで費用が跳ねる)
点検口があれば必ず確認します。
見るのは「木の色」ではなく、土台・大引き・束・蟻道・カビ臭。
→ 床下が怪しい物件は、見えない工事が増えやすいです。
③ 基礎の状態と“傾きの兆候”
ひび割れの種類(細い/斜め/段差)や、建具の閉まり、床の水平感を確認します。
→ 単なる経年か、構造的な補強が必要かの判断材料になります。
④ 屋根の重さ・傷み・メンテ性(古民家はここが鍵)
瓦のズレ・棟の状態・野地の劣化。
さらに「軽量化できるか」「雪・風の地域特性に合うか」も見ます。
→ 断熱・耐震にも直結します。
⑤ 水回りの“更新難易度”(配管・勾配・位置)
キッチン/浴室/トイレの位置が悪いと、改修費が上がります。
工務店は 排水の取り回し・床下高さ・勾配が取れるか を見ています。
→ “置き換え”で済むのか、“大工事”になるのかが分かれます。
⑥ 断熱改修の伸びしろ(窓・天井・床)
「どこから熱が入って、どこから逃げるか」を見立てます。
窓の種類(単板/複層/内窓可否)、天井裏の状況、床下の断熱余地。
→ 快適性と光熱費の将来差が出る部分です。
⑦ 道路・搬入・駐車(工事のしやすさ=コスト)
2t車が入れるか、材料搬入の距離、仮設や足場の組みやすさ。
→ 同じ工事内容でも、現場条件で費用が変わるため必ず見ます。
同行内覧で「その場で分かること」
この家は “買い”かどうか(方向性の判断)
改修費が 上がりやすい箇所(優先順位)
「最低限で住める」or「快適にする」or「フルリノベ」の 現実的なレンジ
補助金を当てやすい工事(自治体制度の対象に乗せやすい箇所)
こんな方は、内覧同行が特におすすめです
空き家を初めて購入する
古民家・築古物件を検討している
断熱・耐震も含めて快適に住みたい
宿泊・店舗など活用したい(用途の確認も必要)
同行内覧の前に準備しておくとスムーズなもの(3点)
物件資料(間取り・築年・価格・所在地)
気になる点をメモ(雨漏り?水回り?寒さ?)
目的の優先順位(住居/宿泊/店舗、予算感)
空き家内覧 同行相談
「この物件、買って大丈夫?」
「改修費はどれくらい見ておくべき?」
「補助金は使える?」
内覧で見落としやすいポイントを、工務店目線で整理します。
10. まとめ:空き家活用は“物件探し”より先に計画が勝つ
兵庫県全体でも空き家は増加傾向で、宍粟市でも空き家率は高めの水準が示されています。
だからこそ、活用例は多彩で、補助制度も用意されています。
ただし成功の鍵は
「どこにお金をかけるか(耐震・断熱・水回り・修繕)」と
「補助金をどう当てるか」です。
社寺建築岡田工務店株式会社(宍粟市)です!
空き家・古民家の改修はもちろん、新築住宅も手がけています。
「この家、直せる?」「空き家を住まいにしたい」「新築と迷ってる」など、気になることがあれば気軽にご相談ください。木のこと・建物のこと、わかりやすくご案内します!


