全国で古民家や町家をリノベーションして、本社オフィスや事務所として活用する企業や、また支社としても利用する例が増えてきました。
古民家の空間をまるごと作り変えるような大規模な改装を行い、思い通りの理想のオフィスを実現できるとして大きな注目を集めているためです。
従来のオフィスからは想像もつかないような思い切ったレイアウトやおしゃれな空間をつくることができ、社員が働きやすい環境を生み出すことが可能であり、今の仕事環境が抱えている問題を解決し、作業効率の向上や社内環境の改善などさまざまな効果も得られます。
また古民家が残る地域は、その土地の文化や風土に根ざした環境が、従業員の創造性に良い影響をあたえてくれることも多々あります。情緒あふれる風景や伝統工芸品の美しさは、心を豊かにし、新しいアイデアを生み出すことでしょう。柔軟なワークスペースや自然と調和した環境は、従業員の働きやすさと生産性の向上を促します。
魅力は建物や環境だけでなく、文化や風土、そしてそこで働く人々とのつながりにもあります。地域の魅力を最大限に活かし、従業員のモチベーションや創造性を引き出す理想的なオフィススペースといえます。
ここでは、古民家を事務所やオフィスにリノベーションすることのメリットと、実施するうえで気をつけるべきポイントについてご紹介します。
古民家を事務所やオフィスにする魅力・メリット
古民家をオフィスにリノベーションすることは、見た目の美しさだけでなく、企業イメージの向上や働く人のモチベーションアップなど、企業の生産性につながる効果も期待できるでしょう。テナントビルにオフィスを構えるのではなく、あえて町家や古民家にオフィスを構えるメリットについて紹介していきます。
◆文化や自然を感じ、クリエイティブな力を発揮しやすい環境
自然光を取り入れたり、四季折々の植物の変化といった自然を身近に感じられ、またお祭りなどを通じて、街にしみついてきた生活文化を間近に触れることができます。
どうしても無機的な環境になってしまいやすいオフィスビルやマンションとは違い、日々自然や文化とのふれあいが可能なライフスタイルを目指す方にとって、パフォーマンスを発揮しやすい環境になりそうです。
◆社員・来訪者へのブランディング/イメージアップ
古民家は伝統的な建築様式と文化的な価値を持つ存在です。そのような歴史的な建物をオフィスとして活用することで、企業のブランドイメージに独自性と魅力を伝える機会になり得ます。一般的なオフィスビルとは異なる存在感を持ち、訪れる人々に独特の印象を与えることでしょう。
貴重な伝統的建造物を維持・継承することに加え、再生可能な自然素材の使用によってSDGsに貢献し企業の社会的評価と信用力の向上につながることが期待できます。従業員・来訪者ともに、企業の持つ理念や文化に共感しやすくなり、その企業に対する信頼感や魅力が高まることでしょう。
また古民家を使ってデザインされたオフィスは企業の印象を良くする効果があります。取引先などから「ユニークな取り組みをしている」「信用できそうだ」などのようにポジティブな印象をもって受け止めてくれれば、その後の経営にも良い影響を与えるでしょう。企業のイメージを具現化したような個性的なオフィスを作り上げることで、高いブランディング効果が期待できます。
さらに、企業のビジョンやミッションを体現した古民家オフィスができれば、従業員に対するインナーブランディング(自社内の愛着や共感の向上)の効果も見込めることでしょう。
◆社員のモチベーション向上につながる
オフィスの古民家リノベーションは、空間を工夫しながら設計し直すことができるため、社員の働きやすさや居心地の良さにこだわった設計ができるのも大きなメリットです。最近では休憩スペースにこだわったり、業務内容にあわせた空間を構築したりと、働きやすさに配慮したオフィスも増えてきました。古民家をリノベーションすることにより、唯一無二のオフィスが実現できるでしょう。
空間にこだわったオフィスは、ただ業務の生産性を高めるだけでなく、従業員の満足度をアップし、モチベーションを向上させる効果もあります。また、採用活動において会社の趣旨に共鳴した人材を集める効果も期待でき、人事面にも良い影響を及ぼしてくれることでしょう。
働く空間を一新する古民家オフィスリノベーションの注意点やポイント
◆比較的費用を抑え、オフィス・事務所として活用ができる
ある程度構造のしっかりした古民家を選び、当時の素材や雰囲気を生かすことでリノベーション費用も抑えることが可能です。より人口の少ない都市の古民家を利用すれば、驚くような金額で活用ができることも。サテライトオフィスとして利用を検討するのも魅力的です。
◆リノベーションの目的・会社の課題を明確に
現在の業務上の課題を洗い出すことが重要です。
集中るスペースが不足している、ミーティングスペースが足りない、コミュニケーションが取りづらいなどの具体的な課題を特定しておくとションの効果を最大限に引き出し、最適なレイアウトを決定する手助けになります。
◆設備や性能
リノベーションしてない古民家は床、壁、屋根に断熱材が入っておらず、 床下に外気を通す構造で、建具の気密性も低いため、思いのほか夏は暑く、冬は寒いです。 また、網戸を設置してない場合、虫が入り込むこともあり、設置が必要になる場合があります。
設備としては、収納の問題があります。押入れなどの収納スペースには通常鍵がないので 必要に応じて鍵を取付けたり、新たに収納スペース を作ったりするなどの対策が必要となります。また、長年リフォームがされていない建物の場合、トイレや手洗いなどの水回りが古く、オフィスとして利用するためには、増設やリフォームなどが必要になります。
◆ワークスペースの柔軟性
古民家は、それぞれ間取りが異なるため、オフィスを選ぶ際には、従業員のニーズや要件を把握することが重要です。もちろんリノベーションで対応できる部分も多いので、従業員の意見や要望を十分に聞き、働く環境に求める条件や機能性を考慮しましょう。
集中力を高めるための個別作業スペースやコミュニケーションを促進する共有スペースなど、従業員が生産性を発揮しやすい環境を提供することが大切です。
古民家をオフィスにする場合、慎重さと柔軟性が求められます。立地条件や改築の費用、従業員の要件など、様々な要素を総合的に考慮し、最適な立地・物件を選びましょう。
◆間取りの変更
働きやすい環境づくりは、企業にとってひとつの課題となっています。従来のオフィスといえば、上司を中心とした島型のレイアウト、インテリア性のない家具や内装が定番でしたが、近頃はオープンで快適な空間を実現するために、間取りやインテリアにこだわったオフィスも多いです。古民家オフィスリノベーションで間取りを変えることで、広々とした空間を実現することも可能でしょう。近年は集中スペースの導入など、働きやすい環境づくりを目指す事例が増えています。
◆天井や照明にこだわったオフィス空間を実現
古民家オフィスリノベーションで、天井や照明にこだわったオフィスも続々と誕生しています。殺風景な天井に白い蛍光灯だったオフィスをリノベーションし、華やかさや温かみのあるオフィス空間を実現しているところも多く見られます。天井や照明が変われば、空間の雰囲気もガラリと変わるものです。リラックスできるカフェ風の照明や空間を広く見せる高い天井など、オフィスとは思えないインテリアで快適に働ける環境を実現できます。会議室などの使う目的によって天井や照明に変化を付け、遊び心のあるオフィスづくりをしていきましょう。
◆費用・工期が多くかかる場合がある
工事が大規模なリノベーションでは、それだけ費用や工期がかかることになります。工事にかかる期間はもちろんですが、床や壁の建材や、オフィス家具などにこだわれば、その発注や取り寄せにも通常以上の時間が必要になるでしょう。予定していた費用や期間で収まるかどうか、十分に確認しながら進めるようにしましょう。
*古民家を活用したオフィスで地域に愛されるコツ
①オフィスや事務所内の家具を町で不要になった古い家具などを集めてきて、デスクや椅子に再生し制作。積極的にもともとあるものをリユースすることで、地域の方や利用される方、みんなに愛着が持てる、長く使い続けられるデザインにできます。
②古民家の中に籠って仕事をしていると、地域の人にとっては中で何をやっているかわからないです。古民家リノベーションの際、働いている様子がガラス越しに見えるように設計すると、都会から来た若者たちが夜遅くまで働く様子などが目に見え、少しずつ地域の人たちの心を動かします。
③物件を選ぶ際に母屋棟や蔵棟などがある広い敷地を選んだ場合、広場などを生み出すと地域の人の憩いの場になったり、キッチンカーが店を出したり、地域のお祭りの会場になったりと、企業の敷地でありながら公共性を持った広場に成長していくこともあります。
社寺建築岡田工務店㈱では・・・
古民家をリノベーションし、オフィスや事務所にしたい!それは古民家ならではの魅力と機能性が融合した魅力的な選択肢です。心地良い環境づくり、クリエイティビティの向上、社員の満足度と生産性の向上など、多くのメリットを提供することでしょう。オフィス・事務所の設計とインテリアには工夫が必要であり、立地条件や従業員のニーズを考慮しながら選ぶことが大切です。
成功事例や実践的なアイデアを参考にしながら、町家や古民家のオフィス・事務所を活用して最適な働き方を実現しましょう。
古民家オフィスの魅力とポテンシャルを最大限に活かすためには、慎重な計画と柔軟なアプローチが求められます。物件選びも大変だと思いますので、古民家をリノベーションしたオフィス・事務所を検討中の方は、ぜひお声がけください。
要望を遠慮なく伝えていただき、その要望を理解し、さらにプラスアルファの提案をしていきたいと思います。
オフィスのリノベーションは大規模な工事になるだけに注意すべき点も増えますが、それ以上に自社のイメージにあったデザインや設備を導入し、会社を差別化できるという大きなメリットがあります。ブランディング効果や人事的な強みをお求めの場合は、思い切って古民家リノベーションを検討してみてはいかがでしょうか。
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